「今の会社に居続けてもいいのか」「でも、50代の転職は厳しいと聞くし…」。
そんな50代特有の転職の悩みを抱えながら、在職中にこっそり求人を眺めては、ため息をついていませんか?
はじめまして、キャリアカウンセラーのかなえです。
私は18年間で1,300人以上の面談をしてきましたが、50代の転職希望者が最初につまづくポイントには、共通した3つの壁があると実感しています。
50代転職3つの壁
- 自分の強みを言語化できない
- 自分の市場価値がわからない
- 長すぎる経歴が逆にノイズ化する
そこで今回は、あなたが「仕事探し」の迷路に迷い込まないために、面談現場でよく見る50代の壁の正体と、その乗り越え方についてお話しします。
転職を希望している方、転活中の方はぜひ最後までお読みください。

キャリアカウンセラー
- 現役キャリアカウンセラー
- 18年間で1300人以上の転職・再就職相談を担当。
- 50代転活中向けの情報を発信。
- ポリシー:「今の経験で何が武器になるのか」を言語化し、失敗リスクを抑えた転職準備をサポート。
自分の強みを言語化できない

転活中の50代が最初にとまどうのが、自分の強みを言語化できないという壁です。
私が面談でいつも感じることは、ほとんどの方が自分のよさを相手に伝えきれていないという現実です。
おそらく、長年同じ組織で働いてきたことで、これまでの経験を当たり前のように感じてしまい、他でも通用する武器として認識できないと考えられます。
具体例をあげて見ていきましょう。
営業職:「ずっと営業だけだった」は最大の強み
営業職希望の方でよく聞くのが、「お客さんと話してきただけで…」や「ずっと営業しかやっていなくて…」、「特別なスキルはないんです。」という言葉です。
営業畑で目標を追いかけてきただけなんですけど、、、
しかし、長年顧客対応を続けてきた経験は、会社の経営理念を踏まえた上で相手の要望を引き出し、関係性を維持してきた証拠です。
外部から見れば、信頼関係を保つ力や取引を継続させる力、社内調整力はどの会社でも再現性のある高いスキルです。
営業しかしていないのではなく、営業を通じて何を積み重ねてきたのかを言語化できていないだけなのです。
経理職:「決められたことをやってきただけ」は評価される経験
経理の方に多いのが、「任された仕事を忠実にやってきただけ」「ルール通りに事務処理をしていただけ」という自己評価です。
本当に経理の経験しかないんです。大丈夫なんでしょうか?
経理業務は正確性・継続性・信頼性が求められる職種です。
誰しも所属部署や他の部署とのやり取りで数字の背景を説明したり、調整したりしてきた経験があるはずです。
交渉が得意ではないと感じていても、業務を確実にこなしてきたこと自体が、雇用側から見れば高いモラルと責任感の証として評価されます。
淡々と続けてきた仕事ほど自分の強みに気づきにくいものです。
転職が多い方:「長続きしない」ではなく「何度も選ばれてきた」
何度も転職している人ほど、自分は長続きしないから不利だと感じてしまいがちです。
しかし裏を返せば、そのたびに書類選考や面接を通過し、採用されてきたという事実があります。
転職の成功は自分に環境適応力や説明力、コミュニケーション力がある証拠です。
転職回数をマイナスと捉えるのではなく、どの場面で求められ、期待にどのように応えてきたかをノートに書き出すだけでも、自分の強みとして語れる土台ができあがります。
かなえこれまでの歩みを否定せず、正しく整理することから始めたいですね。
自分の市場価値がわからない

2つ目は雇う側の視点で自分の現在地を見ることができないという点です。
特に大企業出身者や同業他社へ転職を考えている人に多いのが、今と同じポストで、同じ給料がもらえるはずだという思い込みです。
転職市場では年齢が上がるにつれ、人件費とパフォーマンスのバランスを極めて慎重に判断します。
視点を変えて、雇用する立場で考えてみましょう。
面接で2名のうちどちらかを採用するとします。
同じスキル、同じパフォーマンスなら、経験豊富で気を使う年上より、頼みやすい若手を採用するのは容易に想像できますね。
このように自分のスキルが今の市場でいくらなのかを把握しないまま進めてしまうと、不採用が続いた時に「自分は必要とされていないのではないか」と、自信を失ってしまうリスクがあるのです。
かなえ年齢が上だからNGではなく、自分の市場価値にフォーカスしてねという意味ですよ。
長すぎる経歴が逆にノイズ化してしまう

3つ目は豊富な経験が応募書類のノイズになってしまうという壁です。
50代の職務経歴書はどうしても枚数が増えがちです。
採用担当が求めているのは過去の経歴すべてではなく自社で活かせる実績だけです。
カウンセリングで転職希望者の職務経歴書に目を通すと、「営業職を希望しているのに、経理の実績ばかりが強調されている」といった、やりたい仕事と書類が噛み合わないことがよくあります。
経理の経験しかなかったので、思いつかなかったです。
かなえ職務経歴書は未来の会社に向けて自分をプレゼンする道具。希望職に寄せていくんですよ。
このように希望するキャリアに寄せていくことができず、無難な表現で終わってしまうので、書類選考で落ちてしまう悪循環が続いてしまうのです。
3つの壁を突破する方法

安心してください。3つの壁は転活中の誰しもが経験するものです。
ここで転職をあきらめる必要はありません。
むしろ、転活中で精神的な余裕がある今こそ、この壁を正しく乗り越えるチャンスです。
大切なのはいきなり求人に応募するのではなく、まずは市場の現実を知り、次に自分の棚卸し、という順番を守ることです。
ここで厚生労働省のデータから50代転職の現在地をながめてみましょう。
50代転職をデータで見てみる
50代の転職・再就職が「厳しい」と言われる理由は、厚生労働省のデータにも表れています。
「雇用を取り巻く環境と諸課題について」によると転職入職者の約65%が45歳以下です。
50〜54歳が約4.6%、55〜59歳が約5.7%と、市場全体における採用の実数・割合は決して大きくありません。

次の「雇用動向調査」の転職入職率でも同じような結果が出ています。

50代の転職者率は男女合わせて約13%〜15%台と、他の年齢に比べて少なく、転職市場全体における50代の採用実数・割合は決して大きくないのが現実です。
さらに同調査では50代転職者の約3〜4割が「前職より賃金が減少した」と回答しています。
このように20代や30代と同じ感覚で活動しても長期化し、自信を失うリスクが高いのです。
市場価値がないと聞くと、自分の価値がなくなってしまう気がします。
かなえあくまで「今の市場における需要と供給のバランス」 と割り切る勇気も必要ですよ。
自分の棚卸しから始める
統計的な厳しさの把握に加え、自分の棚卸しがきっかけでつまずきに気づける可能性があります。
誤解や過信に早めに気づくことで転活中の軌道修正ができるのです。
「少し休めば何とかなる」の誤解に気づける
理由はかんたんで「ひと息ついてから転活しよう」としてもなかなかうまくいかないからです。
役職定年などで「退職金もあるし、1年くらい休んでから始めよう」と考えている方は要チェックです。
50代の転職市場は転活をしないブランク(空白期間)に対して想像以上に厳しくなります。

個人にもよりますが、1年も休んでしまうと90日以内に再就職する方よりも25%も年収が下がってしまいます。
このように休んでいる間に市場から求められる鮮度が失われ、難易度が上がってしまうのです。
「同業なら同条件」ではない現実がわかる
「同業他社なら同じ条件、同じ給料でもらえるはず」と考えている方がいるかもしれませんが、「雇用動向調査」からもわかるとおり、同じ給料をもらえる保証はありません。

かなえ50代の転職で賃金が上昇した方は全体の14〜18%なんです。
自分のキャリアを客観的に把握できていなければ、応募先の選択から出だしでつまづいてしまうのです。
家計管理不足や体力の過信に気づける
資産状況や毎月の家計、自分自身の健康状態を理解できていない方もいます。
具体的には「年収ダウンが家計に与える影響を予想していない」や、片道1時間半もかかる通勤距離を「気力でカバーできる」と思い込んでいるケースです。
生活の土台が不安定なままでは、いざ内定が決まっても家族の反対で断念することになったり、入社後に体調を崩したりするリスクがあります。
こうしたつまずきを避けるためにも、データが示す市場のリアルを受け入れた上で「自分の現在地」を正しく知ることが、成功への近道となります。
まとめ:強みは新しく作るものではなく、整理するもの

あなたの強みは新しい資格を取ったり、これまでと違う実績を作ったりしないと生まれないわけではありません。
多くの50代の方は、これまでの現場で十分すぎるほどの経験を積み重ねてきています。
ただ、その経験が当たり前になりすぎていて、採用側からどう見えるのかを整理できていないだけなのです。
転職で必要なのは経験を盛ることでも、無理に言い換えることでもありません。
「これまでやってきたことを分解し、相手に伝わる言葉に言い換える」ことです。
分解と言い換えで自分には何もないという感覚が、自分には〇〇の価値があるという実感に変わっていきます。
キャリアの棚卸しシートは転職活動の準備として、きっとあなたのお役に立てるはずです。
かなえ棚卸しシートに思いつくまま、どんどん書きこんでいきましょう。トップページからも無料でダウンロードできるのでぜひ使ってくださいね。
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次回は棚卸しシートの活用の仕方や転活を進めるうえで多くの50代がつまずく、市場価値への不安とどう向き合えばいいのかをいっしょに整理していきましょう。


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