書類選考で落ちてしまう。
50代の転職活動でこの壁にぶつかって、先に進めなくなる方は少なくありません。
応募しても応募しても書類選考を突破できないという状況は、精神的にもつらいですよね。
実は、書類選考で落ちる原因の多くは「年齢」ではありません。
書類の書き方に、50代に特有の気づきにくいクセがあることがほとんどです。
- 長くて読まれない
- 全部同じ文で応募
- 過去の実績だけ
そこでこの記事では、50代が書類選考で落ちる原因を5つ紹介したうえで、通過率を上げるための具体的な対策をお伝えします。
かなえ- 本業:キャリアカウンセラー
- 18年間で1300人以上の転職相談を担当。
- 50代に特化した転職活動の情報を発信。
- ポリシー:「今の経験で何が武器になるのか」を言語化し、失敗リスクを抑えた転職をサポート。
- 趣味:旅行・食べ歩き

50代の書類選考通過率はおよそ2割

対策の前に、まず知ってほしい数字があります。
マイナビの転職活動実態調査(2025年)によると、
50代男性は平均15.1社に応募して、書類選考を通過できたのは3.0社。
通過率は19.9%です。
転職エージェント「さんななキャリア」の実績データでも、50代が最も低くなっています。
| 年代 | 書類選考通過率 |
|---|---|
| 20代 | 28.0% |
| 30代 | 35.2% |
| 40代 | 23.1% |
| 50代 | 17.1% |
つまり50代は、5社に4社は落ちるのが標準ラインです。
10連敗していても、あなたの経歴が否定されたわけではありません。
また、転職サービスdodaの2024年実績では、転職者の平均応募社数は32社。
関東の40代以上では職種を問わず約40社です。
かなえそして同じデータには希望の持てる数字もあります。
一次面接まで進んだ50代の内定率は37.8%と、実は全年代でいちばん高いのです。
書類さえ通れば、50代はむしろ強い。
だからこそ、現状を「読まれる書類」に整える価値があります。
▶面接まで進んだ方は、面接で落ちる人がやっているNG行動7選 も合わせてどうぞ。

50代が書類選考で落ちる原因

50代が書類選考で落ちる原因は5つあります。
次の1つでも当てはまれば対策が必要です。
全部書こうとして読まれない

28年のキャリアがあるので、A4で7枚くらいになってしまいました。
書類の目的は「全部伝えること」ではなく「面接に呼んでもらうこと」と割り切ることが大切です。
採用担当者が書類1通に費やす時間は、30秒〜1分程度とされています。
ページが多すぎると、読む意欲低下→ 読まれないまま不通過というルートをたどってしまいます。
過去の実績が強すぎて貢献が見えない
企業が採用書類で知りたいのは「この人は、自社にどんな価値をもたらしてくれるか」という点です。
もちろん過去の実績は大切な材料です。
過去の実績をどのように貢献するかまで書かないと、読まれない年表で終わってしまいます。
▶過去の実績が特に見当たらない方はこちらも参考にしてください。

実績の書き方は、対策②で解説します。
全社に同じ書類を送っている
複数応募しなければならないという理由で、同じ文面をそのまま使い回していませんか?
企業ごとに求める人材像は異なります。
製造業向けの営業とIT系の営業では、求められるスキルも違います。
全社に同じ書類を送ると「うちの会社のことを調べていない」という印象につながります。
かなえ1枚目に読む気にさせる一文がない
SAPとか使ったことないし……。ずっと経理だったので書類の最初に何を書けばいいのか、よくわからないんです。
かなえ職務経歴書の1枚目、一番上に何が書いてありますか?
氏名・連絡先から始まって、いきなり職歴の羅列という書き方では読んでもらいにくいです。
最初の30秒で「この人はいけるかも」と思ってもらえるかどうかが、通過率を左右します。
具体的な書き方は、対策①で解説します。
希望年収が高すぎて見送られている
書類の内容とは別に、希望年収の欄が原因で見送られているケースがあります。
特に50代の場合、現職の年収をそのまま記載すると、企業側の想定予算を超えてしまうことがあります。
これは能力の問題ではなく、転職市場の現実として知っておく必要があります。
え、今の年収を書くのはダメなんですか?
かなえなぜ50代は書類選考に通りにくいのか

書類選考が通りにくい理由として、50代特有の課題があります。
希望年収のまま応募してしまう
厚生労働省の令和4年雇用動向調査によると、
50〜54歳の転職者のうち、年収が下がった割合は、36.1%、55〜59歳では39.9%に上ります。

つまり50代の転職では、3〜4人に1人が年収ダウンを経験しているのが現実です。
「今の年収と同額以上」で応募し続けると、書類選考の段階で予算オーバーと判断されて通過できないケースが増えます。
書類の内容をどれだけよくしても、希望年収の設定が合っていなければ通過は難しくなります。
企業が50代に不安を感じる理由がある
かなえ企業が50代に感じている不安は、次の3つです。
- 扱いにくそう:役職が下の人の指示を素直に聞けるか
- 年収が合わないかも:高い年収を要求されるのでは?
- 新しいことを覚えられるか:自社のやり方に適応できるか
この不安に対して心配ありませんと書類で示せるかどうかが、合否の分かれ目。
書類の中身を直しても、応募する数が足りないと結果は出にくい。それが50代の現実です。
ライフシフトラボの公式ページには、40代以上が内定までに応募する数は、平均で約150社とあります。
「ひとりで10〜20社出したところで心が折れてしまう人が多い」とも書かれています。
ライフシフトラボは、45歳からの有料の転職塾です。
書類から応募の代行までをプロが指導してくれます。
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書類選考の通過率を上げる対策

書類選考の通過率を上げる対策を解説します。
4つの対策で書類選考を通し、次の面接までコマを進めていきましょう。
1枚目に30秒で伝わる自己紹介文を作る

職務経歴書の1枚目、一番上にキャリアサマリーを3〜5行で書きます。
このひと言があるだけで、採用担当者の読む意欲が大きく変わります。

- 製造業向けBtoB法人営業を28年担当
- 長期継続取引の構築と、納期トラブル時の早期情報開示を強みとする
- 現場営業のスペシャリスト

- 食品メーカーで月次・年次決算から税務申告まで25年担当
- Excel管理帳票の独自設計により集計工数を半減した実績あり
かなえ
実績を企業への貢献に言い換える
「〇〇を達成しました」という書き方を、「〇〇という経験から、御社では〇〇に貢献できます」という書き方に変えます。
「10年以上継続する顧客関係を作れる」という強みとして書けばいいんですか?
かなえ応募先ごとにこの3行だけ書き換える
正直何十社と応募すると、毎回全部書き直すのは大変ですよね。
次の3箇所だけを応募先に合わせて、カスタマイズしてください。
- 志望動機の冒頭1文
- なぜこの会社・この仕事に応募したか
- キャリアサマリーの業界・職種ワード
- 「製造業営業」→「医療機器営業」に1語変えるだけでも効果あり
- スキル欄の強みの並び順
- 応募先が重視しそうなスキルを上位に移す
かなえもし、読者のみなさんがAIを使っているなら、応募先のURLと自分の応募文を読ませて、「この応募先に合わせて文章を作り変えて」と指示するだけでも、書類の質が上がります。
枚数をA4・2〜3枚に絞る
25年分を2〜3枚にまとめると、薄く見えないかなって不安で。
かなえ職務経歴書の適正枚数は、A4で2〜3枚です。
4枚以上になるときは、情報を絞り込みましょう。
- 10年以上前のキャリアはまとめる
- 直近5〜10年を中心に詳しく書く
過去の実績を捨てるのではなく、要約する感覚で取り組んでみましょう。
枚数の調整や見た目の整理は、無料の作成ツールを使うと手早く済みます。
50代におすすめの職務経歴書作成ツール:無料で使える3選を比較 >
書類が通らないときに見直す視点

現実的な落としどころを考えず、条件だけを追いかけてしまってはいませんか?
書類が通らないときは、次の点で見直してみてください。
応募先そのものが合っていないケース
書類の内容を改善しても通らない場合、応募先の選び方に問題があるケースがあります。
次の点を確認してみてください。
- 求人票に「40代まで」など、年齢に関する記載がある
- 業界・職種が遠すぎる
- 大企業だけで探している
自分の経験と近い業界・規模の企業を中心に応募先を選ぶことで、書類選考の通過率は上がります。
希望年収を適切に設定する
前述の厚生労働省の令和4年雇用動向調査では、50〜54歳の約36%が転職で年収ダウンを経験しています。
複数の転職エージェントのデータを参考にすると、現実的な年収の目安は次のとおりです。

- 54歳
- 製造業BtoB営業
- 役職なし
- 現年収600万円
- 転職後は現職から約10%前後のダウン
- 520〜550万円程度が現実的な目線感

- 52歳
- 食品メーカー経理
- 役職なし
- SAP未経験
- 現年収500万円
- 転職後は現職から10〜20%のダウン
- 400〜450万円程度が現実的な目線感
かなえ
プロに添削してもらう

書類の改善は、自分では気づかないクセとの戦いでもあります。
何度直しても通らないと感じたら、転職エージェントへの書類添削依頼が有効です。
無料で書類添削を受けられるエージェントも多く、第三者の目を入れるだけで通過率が改善するケースは少なくありません。
なるほど。自分じゃ気づけないところを見てもらうのが一番早いってことですね。
まとめ:書類は読まれて初めて機能する

50代の書類選考が通りにくい原因は、年齢ではなく、書類の書き方にあることがほとんどです。
- 落ちる原因
- 分量が多すぎる
- 過去実績のアピールに偏っている
- 全社同じ書類
- 1枚目がつかみゼロ
- 希望年収が高すぎる
- 落ちないための対策
- キャリアサマリーを作る
- 実績を貢献に言い換える
- 3行だけカスタマイズ
- 2〜3枚に絞る
書類は、読んでもらって初めて機能します。
まずは「読まれる書類」を作ることを最初の目標に置いてください。
書類選考は、練習あるのみ。
かなえ▼書類を通過したら次は面接対策。NG行動を事前にチェックしておきましょう。





