志望動機を書こうとすると、手が止まる
50代の転職で、こう悩む方をたくさん見てきました。
でも、書けないのはあなたの経験が足りないからではありません。
志望動機が書けない理由は3つ。
- 転職理由との混同
- 情報が多すぎる
- 前向きな言葉が出てこない
自分の言葉の「見つけ方」を知らないだけです。
大概は書く時の3ステップで進めていけば、志望動機が完成します。
書く時の3ステップは、
- 転職理由の変換
- 企業研究
- 経験×貢献のまとめ
この記事では、1,300人以上の面談でわかった「志望動機が書けなくなる本当の理由」と、採用担当者に伝わる書き方を、例文つきで具体的にお伝えします。
- 本業:キャリアカウンセラー
- 18年間で1300人以上の転職相談を担当。
- 50代に特化した転職活動の情報を発信。
- ポリシー:「今の経験で何が武器になるのか」を言語化し、失敗リスクを抑えた転職をサポート。
- 趣味:旅行・食べ歩き

志望動機を書けないと感じる理由

「やる気はあるのに、書こうとしたら何も出てこなくて…。」自分だけじゃないんですね。
まず、なぜ50代は志望動機を書くのが難しく感じるのでしょうか。
原因がわかると対処法も見えてきます。
転職理由と志望動機を混同している

- なぜ転職するのか
- なぜこの会社に応募するのか
は別の質問です。
ところが書けない方にかぎって、
転職理由と志望動機を一緒にしていることがよくあります。
- 今の会社では給与が上がらない
- 人間関係がつらい
は転職理由であって、志望動機ではありません。
採用担当者が志望動機で聞きたいのは、「なぜうちの会社なのか?」という一点です。
転職したい理由をいくら丁寧に書いても、その問いには答えられていません。
そうか。転職理由と志望動機って別のことだったんですね。
経験から何を選べばいいかわからない
50代は職歴が長いので、経験豊富がネックになることがあります。
「あれもこれも書いた方がいいか」と悩むうちに、何も書けなくなってしまう。
経験豊富ゆえの落とし穴です。
志望動機に書くのは経歴の総まとめではありません。
応募先の仕事に役立つ経験だけを選んで書くのが正解です。
前向きな言葉が出てこない
- 会社が倒産しそう
- 体力的に今の仕事が続けられない
- このままでは将来が不安
転職理由は、ネガティブが多い傾向になります。
ネガティブな状態で「前向きな志望動機を書いてください」と言われても、素直に言葉が出てこない。
「嘘はつきたくない」という真面目さが、かえって作業を止めてしまいます。
自分の方向性が曖昧な方は、先に診断チャートで軸をつかむと変換しやすくなります。
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診断お疲れさまでした。
チャートで一番外側に張り出している型が、いまのあなたの志向です。
診断のあとに読む記事で、さらに理解を深めてください。
- 【伴走調整】支援型リーダー >
- 組織の調整役として力を発揮したい
- 【熟練実務】動けるベテラン >
- 現場のプロとして腕を磨き続けたい
- 【基盤維持】守りの戦略家 >
- 生活の土台を守り、着実に働きたい
- 【自己裁量】自由な開拓者 >
- 自分の軸で新しい挑戦をしたい
- 【人生調和】整え上手 >
- 時間を豊かに使い、自分らしくありたい
- 【共感貢献】価値観の伝道師 >
- 誰かの役に立ち、感謝される実感がほしい
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採用担当者が志望動機で見るポイント

志望動機を書く前に、採用担当者の視点を考えたことはありますか?
「どんな目的で当社に応募してきたか」でしょうか…
あなたが「何を見られているか」がわかると、何を書けばいいのか自然と見えてきます。
なぜ当社を選んだのか
採用担当者が志望動機を読むとき、真っ先に確認するのはこの一点です。
- これまでの経験を活かせると思いました
- 御社の事業に魅力を感じました
と書かれていても、
担当者には、どの会社にも同じことが言えると映ります。
なぜ同業他社ではなく、うちの会社なのか。という理由が書かれているかどうかが一番大切なのです。
転職理由との一貫性があるか
採用担当者は「なぜ前の会社を辞めるのか(転職理由)」と「なぜうちを選んだのか(志望動機)」に矛盾がないかを確認しています。
たとえば転職理由が「もっと裁量をもって働きたい」なのに、志望動機で「安定した大企業で長く働きたい」と書いてしまうと、筋が通りません。
採用担当者は「本当のことを言っていないのでは」と感じます。
転職理由と志望動機は、つながって一つのストーリーになっている必要があります。
転職理由と志望動機がセットなんですね。どちらか片方だけ考えてました。
入社後、具体的に何をしたいか

採用担当者が知りたいのは、「過去に何をしてきたか」ではなく、「入社してから何をしてくれるか」です。
50代の転職では特に、この「入社後の貢献イメージ」が具体的かどうかが重要視されます。
「経験があります」で終わるのではなく、「その経験を使って、御社の○○にこう貢献できます」まで書いて初めて、採用担当者の心が動きます。
50代の志望動機を書く3ステップ

本題の「書けない」を「書ける」に変える3ステップに入ります。
3つのステップで、志望動機の輪郭がはっきり見えるようになります。
転職理由を前向きな言葉に変換
まず、転職を考えた理由を正直に書き出してみてください。
ネガティブな理由でも構いません。
次に「自分が何を求めているか」という前向きな表現に置き換えます。
| 正直な理由 | 前向きに変換 |
|---|---|
| 将来性が不安 | 安定した環境で長期的に貢献したい |
| 給与が一定 | 成果に見合った評価がある環境で働きたい |
| 人間関係が悪い | チームワークを大切にした職場で発揮したい |
| 体力的にきつい | 経験とスキルをより活かせる働き方をしたい |
| リストラされた | これまでの経験を新しい環境で活かしたい |
言葉の置き換えは嘘をつくことではありません。
本当に求めているものを、
相手に伝わる言葉で表現するということです。
「会社の将来が不安」が「長期的に貢献したい」に変わるんですね。そう考えたら書けそうな気がしてきました。
参考に、転職理由を前向きに言い換えた例を挙げます。
- 評価されず給料が上がらない
- →これまでの経験を、より専門性を発揮できる環境で活かしたいと考えたため
- 人間関係が合わなかった
- →チームで成果を出す働き方を、あらためて追求したいと考えたため
- 会社の将来が不安
- →腰を据えて長く貢献できる環境で、力を尽くしたいと考えたため
企業研究で「なぜ当社なのか」を言語化

次に応募先の企業を調べます。
「なぜここでなければいけないのか」という答えを見つけるためです。
企業サイトで必ず確認してほしいのは次の5つです。
- 経営理念・社長のメッセージ:どんな考え方の会社か
- 取扱製品・サービス:自分の経験とどこがつながるか
- 取引先の業種・規模:自分が関わってきた世界と近いか
- 社員インタビュー・社員の声:どんな人が評価されているか
- 採用ページ・求める人物像:どんな人材を求めているか
検索で「ここだ」と思う接点を一つ見つけてください。「なぜ当社に応募したのか」の答えになります。
ホームページで、自分との接点を探すんですね。今までなんとなく感で書いて、このへんかなで終わっていました。
経験×貢献の形にまとめる
ステップ1・2で出てきた内容を次のテンプレートにあてはめて、まとめます。
- (ステップ1:前向きな転職理由)のため、転職を決意しました。
- 複数の会社を検討する中で貴社を志望したのは、(ステップ2:企業との接点)に強く共感したからです。
- これまで(職種・年数)で培ってきた(具体的なスキル・経験)を活かして、貴社の(具体的な業務・部門)に貢献できると考えています。
このように、転職理由・企業選択の理由・貢献内容の3点が自然にそろいます。
採用担当者が読んで「この人は筋が通っている」と感じる構成です。
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「自分の経験を言葉にする」部分が難しいと感じる方は、50代の経験はどう言語化すれば武器になるのかも合わせて読んでみてください。
▼経験を整理するための具体的な手順を解説しています。

伝わる志望動機のテンプレート
50代によくある転職パターンごとに例文をお見せします。
ご自身の状況に近いものをベースに言葉を入れ替えて使ってみてください。
同業種・同職種への転職

【例:製造業の品質管理職 → 別の製造メーカーへの転職】
ポイント:「転職理由→なぜ当社か→具体的な貢献」の流れが1段落でまとまっています。
数字(20年・3年)を入れることでさらに説得力が増します。
異業種・未経験職種への挑戦

【例:銀行員 → 中小企業の経営企画への転職】
ポイント:未経験への挑戦では「なぜこの会社か(接点)」をより具体的に書くことが重要です。
「未経験ですが頑張ります」だけでは、採用担当者の不安は消えません。
職種別の志望動機の例文

ここからは、そのまま参考にできる職種別の例文を紹介します。
いずれも50代の強み(経験・信頼・即戦力)を軸にしています。
事務・経理職の例文
前職では25年にわたり、少人数で経理業務全般を担い、月次決算の早期化や属人化の解消に取り組んでまいりました。
御社が管理部門の体制強化を進めておられる点に魅力を感じ、これまでの実務力と業務改善の視点で貢献できると考え志望いたしました。
営業職の例文
28年間、製造業向けの法人営業として、主要なお客様と10年以上の取引を築いてまいりました。
新規開拓よりも既存のお客様との関係深化を重視される御社の方針に共感し、信頼関係を土台に着実に成果を積み上げる営業として貢献したいと考え志望いたしました。
製造・技術職の例文
長年、生産現場で品質管理と若手の育成に携わってまいりました。
現場力の強化を掲げる御社に、これまでのトラブル対応と改善の場数を活かせると考えております。培ってきた現場の知見を、御社の安定生産に還元したいと思い志望いたしました。
介護・サービス職の例文
前職の接客で培った傾聴力と、家族の介護に向き合った経験から、人に寄り添う仕事に携わりたいと考えるようになりました。
未経験ではありますが、利用者第一を掲げる御社の姿勢に共感し、これまでの対人経験を活かして長く貢献したいと思い志望いたしました。
50代パートの例文
生活のリズムに合わせて、長く続けられる仕事を探しています。
前職の販売で培った接客と、几帳面に数字を扱う事務補助の経験を活かし、御社で無理なく着実に貢献したいと考え応募いたしました。
パートの志望動機は、背伸びをせず「長く続けられること」「これまでの経験」「シフトへの柔軟さ」を素直に伝えるのがコツです。
志望動機で落とされやすい NG 5選

書き方を知った上で、「やってしまいがちな落とし穴」も確認しておきましょう。
これを知っているかどうかで、書類通過率が大きく変わります。
転職理由をそのまま書いている
「現在の会社では〇〇なため、転職を希望します」という書き出しで終わってしまう方が非常に多くいます。
これは転職理由の説明であり、志望動機ではありません。
採用担当者が知りたいのは「前の会社を辞めたい理由」ではなく、「なぜうちの会社に来たいのか」です。
転職理由は簡潔に触れる程度にして、必ず「だからこそ御社を選んだ」という流れに持っていきましょう。
どこでも使い回せる内容になっている
「これまでの経験を活かせる環境で働きたいと思い、御社に応募いたしました」
これは応募先が変わっても、どの会社にも送れる文章です。
採用担当者はすぐ見抜きます。
複数社に応募するときほど、この「使い回し」をやりがちです。
手間でも企業ごとに「なぜ当社なのか」を書き分けることが、書類通過への近道です。
正直、同じ文章を何社にも送ってしまってました…。見抜かれてたんですね。それが書類で落ちていた原因かもしれません。
過去の実績の羅列で終わっている
- これまで〇年間、〇〇業務を担当してきました
- △△の資格も持っています
これは経歴の紹介であり、志望動機ではありません。
採用担当者は「その経験でうちで何をしてくれるのか」を知りたいのです。
実績を書くなら必ず「だから御社の○○に貢献できます」とセットにしてください。
過去の話だけで終わらせないことが大切です。
学びたい・成長したいで締めている
- 貴社でさらに成長したいと思います
- 多くのことを学ばせていただければと思います
これは20代の就活であれば通じますが、50代では逆効果です。
50代は育ててもらう側ではありません。
「即戦力として貢献する側」として期待されています。
採用担当者の頭には「この年齢で学ばせてほしい、という姿勢で来られても…」という疑問が浮かびます。
50代の志望動機の締めは、学びたいではなく、貢献できるで終わらせてください。
「成長したい」って書いた方が謙虚に見えると思ってました。50代では逆効果だったんですね。これは気づかなかった。
待遇・条件を理由にしている
- 年収が魅力的です
- 残業が少ない点に惹かれました
- 安定した会社で長く働きたいです
これらは自分にとって都合がいい理由です。
採用担当者の立場から見ると、「条件さえよければどこでもいいのかな」と映ります。
待遇への希望は、面接の希望条件として別途伝える場面があります。
志望動機には書かないのが鉄則です。
まとめ:志望動機は「応募先でどんな貢献ができるか」を書く

この記事でお伝えしたことを4点を整理します。
- 志望動機が書けない理由は3つ
- 転職理由との混同
- 情報が多すぎる
- 前向きな言葉が出てこない
- 採用担当者が見ているのは次の3点
- なぜ当社か
- 転職理由との一貫性
- 入社後の貢献イメージ
- 書くときの3ステップ
- 転職理由の変換
- 企業研究
- 経験×貢献のまとめ
- やってはいけない5選
- 転職理由をそのまま書く
- 定型文の使い回し
- 実績を並べる
- 学びたいで締める
- 条件を理由にする
志望動機は「自分語り」ではなく、応募先でどんな貢献ができるかを伝える場です。
この視点に切り替えるだけで、手が止まらなくなります。
「自分の強みを言葉にできない」という方は、50代で「強みがない」と感じる人に共通する思い込みも参考にしてみてください。
▼この記事も読まれています。

志望動機に書く「貢献できること」のヒントが見つかるはずです。





